宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング博士が先日帰らぬ人となった。
ホーキング博士は「車いすの天才科学者」として知られ、全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋委縮性側索硬化症(ALS)を患いながら、宇宙の真理について、独自の洞察を続けてきた。
一流の科学者でありながら、ユーモアも持ち合わせていた彼の言葉を学びたい。
そもそもホーキング博士とは?
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スティーヴン・ホーキング博士はイギリスの理論物理学者である。早くから理論物理学の第一人者として認められ、ブラックホールの特異点定理や、ブラックホールの素粒子放出などに係る理論を発表し、現代宇宙論に多大な影響を与えた人物だ。
またアカデミックな研究への貢献だけでけではなく、一般人向けに宇宙論を語るサイエンス・ライターとしての才能も持ち合わせており、通常であれば理解しがたい概念や発想を多くの人に興味深く伝えてきた人物である(特に著書『ホーキング、宇宙を語る』は各国で翻訳され、多くの人々に読まれている)。
学生のころにALS(筋委縮性側索硬化症)を発症し、「車椅子の天才」とも呼ばれていた。
知性とユーモアが同居した人物としても知られ、自身はタイムライン不可能説をとっていることを引き合いに、タイムマシンが将来的にできるかどうかについて「誰とも賭けをしない」とし、その理由について「賭けの相手は(タイムマシンが作られるならそれを使い)未来を知っているかもしれないから」などと語っていた。
スティーヴン・ホーキング博士の名言3選
子供たちに贈った名言
一つ目は、足元を見るのではなく星を見上げること。二つ目は、絶対に仕事をあきらめないこと。 仕事は目的と意義を与えてくれる。それが無くなると人生は空っぽだ。三つ目は、もし幸運にも愛を見つけることができたら、それはまれなことであることを忘れず、捨ててはいけない。
ホーキング博士が子供たちへのアドバイスとして贈ったのがこの言葉だ。
障がいを物ともせず常に前向きに、宇宙の真理の探究という自らの仕事に打ち込み続けたホーキング博士の姿勢が現れている名言だ。
最後に「愛」に対する言及があるのも見逃せない。ホーキング博士は死後の世界や創造主と否定したといわれるが、その一方で仕事だけではなく「愛」についても重要視していたのだ。
壁に対する名言
行き詰った時に怒ることはいいことではない。私はその問題を考えながら、ほかのことに取り組むよ。正解が導き出されるまで何年もかかる場合もあるけどね。ブラックホール放射の理論には29年かかったよ。
何かに行き詰ったときに、その状況に怒り狂うのではなく、頭を切り替えてほかのことに取り組むというホーキング博士の姿勢が現れた名言。
研究においては、思った通りに進まないことも多々あるが、その中でも長期にわたる成果を出し続けられるのは、このようなマインドを持ち続ける人物なのだろう。
ハンディキャップに関する名言
私は障がいを持っていることで、ある意味助けられている。教鞭を執ったり退屈な会議に出席することを義務づけられて無駄な時間を浪費することなく、研究や思考実験に打ち込めるのだから。
自身に与えられた条件をあくまで肯定的にとらえ、ベストを尽くして人生を生きようとする前向きな姿勢が現れた名言。
ホーキング博士は自身の障がいについてネガティブな発言をすることが少なかった。
例え人より劣る部分があったとしても、それを武器に変えてベストを尽くしたいと思える。
まとめ
いかがだっただろうか。
天才科学者という遠い存在であっても、その言葉からは私たちも多くのことを学べると思う。